今月のことば

9月

被爆者 谷口 すみてるさんの言葉

ある米国人の取材者が谷口さんに

「体験を思い出すのはつらいでしょう」と

尋ねたときの返答が心に残っている。


「思い出すんじゃない。一時も忘れたことなどないんですよ」


   中日新聞  8月31日の記事より
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7月 

いつかわたしは 風に乗り

いつかわたしは 雲になる

心も体も 消え果てて

空に流れる 雲になる


  仏教讃歌 「いつか私は」より

        山崎 澍朗 作詞
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6月

見返りを期待せず、人に施すことを「布施」と言います。

「布施=お坊さんにお金やものを納めること」

と思いがちですが、

お金やものを差し出すことだけが布施ではありません。

あたたかいことばをかけたり、

やさしいまなざしで見つめることもまた、布施です。

大切なことは、無心で施すこと。

してあげたから、代わりに・・・と、

心のどこかに少しでも見返りを求める気持ちがあれば、

本当の布施とは言えません。
中略

布施をして救われるのは、施してもらった方ではなく、

実は施した方なのです。
PHP研究所 刊
「はじめてのお釈迦さまのお話」より
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5月


この世には三種の人がある。

岩に刻んだ文字のような人と、

砂に書いた文字のような人と、

水に書いた文字のような人である。


岩に刻んだ文字のような人とは、

しばしば腹を立てて、その怒りを長く続け、

怒りが、刻み込んだ文字のように消えることのない人をいう。


砂に書いた文字のような人とは、

しばしば腹を立てるが、その怒りが、

砂に書いた文字のように、速やかに消え去る人を指す。


水に書いた文字のような人とは、

水の上に文字を書いても、流れて形にならないように、

他人の悪口や不快なことばを聞いても、

少しも心に跡を留めることもなく、

温和な気の満ちている人のことをいう。


       パ-リ「増支部経典」より

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3月

「色は匂へど 散りぬるを

 我が世誰ぞ 常ならむ

 有為の奥山 今日越えて

 浅き夢見じ 酔ひもせず」


うるわしく匂う花々も、やがては散っていく。

この世において、常に変わらないものが

どこにあろうか。

形あるものにとらわれて迷っていた山道を、

今日からは越えていこう。

もはや浅はかな夢を見るまい。

酒に酔ったような生活をするまい。


   仏教伝道協会 刊 「さとりの知恵を読む」より

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2月

「今 あなたに伝えたい言葉」

 最優秀賞  あなたより あなたを思う方がいる
            山崎 魁之さん 


 優秀賞   あなたと出会えた事が私の最高のご縁です。

            池田 愛美さん


 優秀賞  また会おうね。キミとつながったこのご縁。 

            横井 洋子さん


  伝灯奉告法要協賛事業 入賞作品より

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1月

「篤(あつ)く三寶を敬え」

三寶・・仏・法・僧
十七条憲法より

超高齢化社会の中で、
いのちの喜びが見えなくなっている

  今年度のマッチの言葉


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11月


怨みは怨みによって鎮(しず)まらない

怨みを忘れて、

はじめて怨みは鎮まる


パ-リ「法句経」より

第二次世界大戦後の講和条約の場で、

スリランカの代表がこのブッダの言葉を

引用して、日本に対する賠償請求を放棄し、

大きな反響を呼びました。つまり、戦争で

日本軍から大きな被害を受けたけれども、

その怨みは忘れて、今後の平和について

努力していこうと主張したのです。

仏教伝道協会 仏教聖典副読本より



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10月



「誤爆」という言葉はまやかしです。

その中に1人か2人タ-ゲットがいたら

かまわず攻撃する。

それ以外の死者は軍隊用語で

「付随的被害」と呼ぶんです。

テロリスト1人を殺すために

どれだけ市民が死んでも気にしない。

メディアもその考えに

巻き込まれてしまっている。

僕にとって戦争とは、一般の人や子供たちの

体がちぎれたり、腐ったりすることなんです。

兵士と兵士の撃ち合いではない。

圧倒的な火力を持った軍用機からの爆弾が、

下にいる人たちを殺害していく。

  朝日新聞 9月28日夕刊
       フォトジャ-ナリスト
       広河 隆一 氏の言葉より


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9月


少子化や家族分散化で、独り暮らしの老人が増え、

私たちを取り巻く社会は目まぐるしく変化している。

「終活」「直葬」「墓終い」などという言葉が、

一般に使われ出したのはわずか数年前だ。

これに「仏壇終い」まで加わろうとしている。

こうした現象は浄土真宗のみ教えを将来へ

向かって伝えていく環境が、決して平坦ではない

ことを示唆している。

いよいよ10月から始まる伝灯奉告法要を機に、

そうした宗門の現実をしっかり認識したい。


 本願寺新報 9月 1日号 赤光 白光より


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8月


宗務の基本方針

「つなげる」

宗祖・先人・親から受け継いだみ教えを
次世代に伝え、念仏者を育てる。

「つたえる」

み教えを広く伝えるとともに、
御同胞の社会をめざし、
報恩感謝の心を行動に表す。

「ささえる」

創造的な活動を育てるため、
宗務組織の充実に努める。



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7月


”動かんワニ、解雇”。


小さな記事だった。

水族館にすれば、

魚たちの元気な姿、ワニの元気な姿を

みんなに見てもらいたかった、

ということだろう。当然だ。

でも、魚だってワニだって、

そんなに毎日元気よく泳いだり、動き回ったりするわけはない。

魚だって、腹を見せ、泳がなくなって、

毎日何匹かは死んでいるかもしれない。

私たちは、水そうの中で死んでいる魚を見たことがない。

これって、ほんとはおかしいはずだ。

  中略

だが、その動かなくなったところが大切で、

そこが”いのち”との接点だと、じいじは思うのだ。

動かなくなったワニや魚をかくしてしまうのでは、いつも元気で

いきいきのイメ-ジを植えつけることにならないか。

  中略

生まれ、老い、いのち終わってゆく、

その厳然たる真実のまえに、

私たちはもっともっと謙虚にならなければならん。


     大乗 7月号  じいじからあなたへの手紙より

                   中川 真昭 師



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6月

家があり、村があり、人はそこに属し、

喜びも悲しみも共にしてきた。


死は、村人にとっての大きなできごとであったし、


悲しみであった。だからそのために、


村の人々は惜しむことなく労力を提供した。


手伝うのが当たり前だった。


地域社会のつながりを守ろうとすれば、


どんなに忙しくとも、参加し、その中で、


悲しみもつらさも痛みも共有したのだ。


    大乗5月号 「じいじからあなたへの手紙」より


          文 中川 真昭 師