春の永代経法要を無事おつとめさせていただき、
皆さんにお礼を申し上げるとともに、
私自身本当に嬉しかったことがありました。
それは、今日おまいりにうかがったお宅でお聞きした一言です。
「私らみたいに年寄りになると、コロッと逝きたいとか
そんな話ばっかりになるのよ。
だから、こないだお説教(ご法話)でお聞きした、
<お浄土に往生する>というのは本当に良い言葉やと思いました。
確かに誰でもいつかは死んでかんならん。
でも単に死んでいくんやないんやね。
お浄土に往生するんや、という思いがあるだけでも
気持ちが全然違うね。
ありがたかったわ」
と、自分からしみじみお話しくださいました。
90歳近い年齢の方のリアルな気持ちというのは、
40歳の私には、正直言って分かりません。
でも、お寺でお話を聞いてくださったことが、
日ごろの思いと結びついて、
こんな風に受け取ってくださった方がおられたこと。
これも永代経法要の大切なところだと思います。
亡き人をご縁に、私につながる、数えきれないくらいの
「ご縁」を聞かせていただく機会は、そんなに多くはありません。
直接知らなくても、お寺の御御堂(おみどう=本堂のこと)が
現在あるということは、ご先祖はじめ、たくさんの先輩方が
大切に残してくれたものが確かにある、ということなんですね。
今は時代や価値観が変わったと言われますが、
それは昔も同じです。
平安~鎌倉~室町~戦国~江戸~明治~大正~
昭和~戦中戦後・・・
考えたら怖いくらい、世の中が変わったはずです。
人の考えも同じように変わったはずです。
そんな中で、絶対に変わりようのない
「仏さまの教え」、「私のいのちの行き先」
今日お話をうかがっていて、今の時代くらい仏さまの教えが
無いと困るときもないんじゃないか、とも思いました。
単に昔のままが良い、とは思いません。
これからも皆さんに伝わるような法要を目指していきたい、
とあらためて感じました。