2018/02/12

花は足で立てなさい。

専応寺で何十年もの間、報恩講(ほうおんこう*注)の

仏華(ぶっか=仏さまにお供えするお花)を

最近まで立てていただいていた

4人のうち3人の方が、この3年のうちに続けて

亡くなられました。

ある一人の方は、お父さんの時代からお花立てに

来てくださっていて、

「花は足で立てなさい」と言われていたとのこと。

50年以上前のことなので私はもちろん知りませんが、

これはすごい言葉だと思います。

「仏さまにお供えする大切なお花だから、

ひとつひとつ吟味して、良いものを探して集めるんだ」

ということでしょう。

当時専応寺の報恩講は1月の15日,16日でした。

今より雪が多く暖房などと言えるようなものも無い時代に、

山へ入って木を探すところから始まります。

「(花立てに使う)形の良い木がなかなか

見つからんときがあってな。

そんなときは他人(よそ)の山でも入って切りよったで。

よその山でも、昔は、お寺さんのことやで(切らせてくれ)

と言えば、どうぞどうぞ、という風やったでね。

ゆったりしとったわな」

と笑って話してくださったこともあります。

本当に、これには圧倒されます。

何てすごい時代だろうか、と。

以前の写真を見ていると本当にありがたいことだな、

ともしみじみ思います。

他にも、

「おじいさんは、お寺で使うために家の周りに木を植えたり、

報恩講にあわせて正月明けはお花と道具の準備

ばっかりしとったな」

と息子さんから話をうかがったこともあります。

時代はどんどん変わっていきますが、

こういうところは少しでも多くの方に知ってほしいと

心から思います。


*報恩講=ほうおんこう 浄土真宗をひらかれた親鸞聖人
(しんらんしょうにん)のご命日の法要。大勢の方のご協力
でおつとめさせていただく、1年で一番大切な法要です。